「…分かった、今すぐ戻る」

そう言って、携帯を切ると、

私に向き直った龍吾。

・・・

航希を私に返し、

「すみません、呼び出しがかかりましたので、

これで失礼します・・・

また、ここで会えるといいですね?」

そう言った龍吾は、

風のように、去って行ってしまった。

・・・

航希はご機嫌を取り戻し、

ニコニコ。

今度は私が険しい顔つきになっていた。

・・・

小野寺龍吾。

どこで聞いた名前なのかしら?

そんな事を考えながら、

私は家路についた。

・・・

夜帰宅した航に、

夕食を食べながら、

小野寺龍吾と言う人を知ってるか?

と尋ねた。