…文字が滲んだ。

ポタポタと、たくさんの涙が落ちた。

・・・

残酷な人だった。

でも本当は、

心の優しい人だった。

愛することはできなかったけれど、

この人が思ってくれたように、

・・・

私も、

心から愛する航と、

これから生まれてくる赤ちゃんに、

一生の愛を捧げる事を決めた。

・・・

涙を拭い、

・・・

手紙をしまうと、私は病室へと戻った。


・・・う、そ。


ピー――――――――
―――――――

―――

ー・・・・。

心音が止まる音が、

病室中に響き渡った。


「秀人!!」

私は泣きながら、ベッドにしがみ付いた。