イケメン上司の恋愛条件【おまけ更新中】

私は振り向かず言った。

・・・

どんな顔をして、

航に真実を話せばいいかわからなくて。

・・・

「…言いましたよね?

社長には時間がないと・・・」


「・・・」

航は黙ったまま私の背中を見つめていた。

時間がない。

その意味が、ようやく呑み込めてきた。

・・・

「社長は…ぅ・・」

涙が止まらなくて、

嗚咽を漏らしながら、

ようやく真実を告げた。


「…末期の癌だそうです」

その言葉を言い終えたと同時に、

航が私を後ろから抱きしめた。

・・・

「…なぜ、もっと早く言ってくれなかった?」


「口止め・・されてたから」

・・・

私の背中が、

震えていた。

・・・航が、声も出さず泣いてる。