【秀人side】

空港に着き、

重役たちに見送られ、

オレは搭乗口の中に入った。

・・・

思わず、

目の前の光景に、

微笑まずにはいられなかった。

・・・

搭乗待合室に、

待ち焦がれていた人の存在を見つけたから。

あの電話で、

信用し、ここに来る確率は、

0に近かった。

すべて本当の事を話したが、

信用されるなんて思ってなかった。

・・・

この新会社設立に当たって、

しばらく向こうで暮らすにあたり、

健康診断を受けたが、

まさか、自分が末期の癌に侵されているとは、

夢にも思わなかった。

聞かされた時は、

正直、天罰だとしか思えなかった。