「な、何の冗談よ?」

少し声が上ずったけど、

何とかそう答えた。

・・・

「…オレ見たんだ」

「・・・何を?」

・・・

顔は近いまま、

沈黙が流れる。

・・・

この距離感何とかしてほしい。

・・・

「飲み会の帰り、

高橋課長と手を繋いで歩く、

お前の姿・・・」

?!

・・・

見開かれた目が、

もっと大きくなる。

・・・まさか、

職場の人に見られてたとは…

・・・

「…だったら何?」

私は開き直ったように、

そう言葉を発した。