オレは急な仕事が舞い込み、

空港には見送りに行けなかった。

・・・

空港から帰ってきた宮崎が、

オレにちゃんと飛び立ったことを報告した。

…それと同時に、

よからぬ事まで耳にするとは…

オレは、

宮崎を見つめた。


「それは本当の話しなのか、宮崎さん」


オレの言葉に、

悲痛に顔を歪め、

深く頷いた。


「まだ、

すべての証拠が揃ったわけではありません。

信頼していた徳間社長が、

まさか、そんな事をしていたなんて。

僕もどうしていいか、最初は戸惑いました。

でも、やはりいけない事なので、

すべての証拠を集めてからと思いまして」



「…でもなぜ、

私にそんな事を教えてくれるんですか?

貴方は仮にも、

社長秘書で、内情を話すなんて、

よほどの決意がいったでしょう?」