「まず最初に、質問させてください」


オレの言葉に、

黙って頷いた秀人。

オレは意を決して質問した。


「友子と結婚に至った経緯が知りたいんです。

なぜ、オレと付き合っていたはずの友子が、

急に、社長と結婚する事になったのか」

・・・

真剣な表情で秀人を見つめる。

・・・

秀人の顔は、

微笑みに変わっていた。


「簡単に言えば、

交換条件を出した・・・」


「交換条件?」


「ああ・・・

私と結婚しなければ、

航、君をクビにすると言った」


「・・・」


「友子は純粋な子だよね?

君を守る為に、私の条件を呑んだ。

ホント…純粋だ。

私の隣にいるには、ふさわしいほどに」