・・・

社長室の前、

深呼吸した私は、

社長室のドアをノックした。

・・・

「どうぞ」

「失礼いたします」

会釈して中に入ると、

秀人が私に気付き微笑み、

手招きする。

・・・

私は息を呑み、

秀人に近づいた。


「…どうした?」

優しい口調で聞かれ、

私はなんだか落ち着かない態度で、

さっきの事を話した。

・・・

秀人の顔色がみるみる変わる。

明らかに怒っているような顔だ。

「・・・友子じゃなきゃダメなのか?」


「・・・そうみたいです」


「他の者を付けさせようか」

「同行は相手方が女性が良いそうで」

・・・常務室を出る時に言われた。