…夕方。

最後の得意先に行く為、

ロビーまでやってきた。

軽い足取りだったオレは、

急に足が動かなくなった。

まるで、地面に足が引っ付いたように。

・・・

向こうの方で、

早足で歩く友子を見つけたから。

・・・

書類を抱え、何か急いでいるような。

友子を見ただけで、

こんなにも鼓動が早くなる。

・・・

今すぐ掴まえて、

ギュッと抱きしめたい衝動に駆られる。

抱きしめたらキスしたくなる・・・

キスしたらその続きもしたくなる・・・

・・・

こんなにも友子を好きになるなんて、

付き合いだしたころは思ってもいなかった。