・・・

早足だった高橋課長。

人気のないところで、

ようやく足を止めた。

・・・

私の息は上がり、

整えるだけで精いっぱい。

それでも何とか、

高橋課長を見上げた。

・・・

「何、やってるんです、か?

みんな、見て見ぬフリで帰ったのに・・

こんな・・ことし、て、

いいと、思ってるんです・・か?」


・・・

高橋課長の冷たい眼差し。

背中がゾクッとした。

こんな顔の高橋課長、

初めて見た・・・

怖い・・・

「お前は、オレのだろ?」

「・・・え?」

「オレのモノに、手なんか出させない」

「か、課長?」