・・・・

その低くて怒った口調に、

私は身をすくめた。

そして、小さく頷くしかなかった。

秀人を、怖いと、感じてしまったから。

・・・

「いい子、ですね」

そう言った秀人は、

いつものような優しい微笑みに変わり、

私の頭にキスを落とすと、


「気を付けて、帰ってくださいね」

そう言って、私を送り出した。

・・・

私の前では、

こんな態度しか見せない秀人。

・・・

宮崎がこんな秀人を知ったら、

どう思うだろうか?

こんな人でも、ついていきたいと思うか・・・

・・・

そんなこと考えていても、

仕方がない。

私は溜息をつくと、

宮崎の前を通り過ぎた。

「お疲れ様でした。

お先に失礼します・・・」