「孝典さんの罪ではないけど…世間の目は厳しい。私の親も結婚には猛反対した」




「・・・」



「…自分と一緒になれば…杏や理沙ちゃんまで世間の冷たい目に晒されながら生きて行かなければならない。きっとそう思って…孝典は身を引いたのよ…」



孝典さんーーー・・・




「…この先…ずっと一人で生きていくつもりよ…孝典の罪じゃないのに…そんなのって…寂しくない?」




「・・・」




「…二人の仲を裂こうと孝典に近づいたのに…逆に孝典にアドバイスされて…アドバイス通りにしたら…旦那との仲も上手にいっちゃって…でも、私が孝典に会わなかったら…私との過去の別れを思い出さずに済んだかもしれない。そうしたら…杏とも別れずに…」




佳世さんは自分を責め始めた。