体育館から教室に戻るときに感じた、
女子達のいったーい目線。
は、嬉しいことに私に向けられておらず
一番後ろでヨタヨタ歩く「彼女」に向けられていた。

名前…『岡本 優』。

同じ名前か〜。ま、めずらしくは無いけどね。
それにしても彼女…優ちゃんに向けられる異常なほどの目線。

真っ黒い髪をポニーテールに結んだ1人の女子がニヤっと笑みを浮かべ優ちゃんの手をグッと上げ、叫んだ。

「みなさ〜ん!この人、岡本 優はぁー、
なんと!人殺しなんですよー!」

ザワザワ…
一気に人の声で揺れ動く廊下。

「マコトさんっ…!やめて!」
優ちゃんの小さい声を無視して彼女、
『如月 まこと』は続ける。

「殺したのはなんと!小学生時代の友達なんでーす!みんなぁ〜、ひとの命を奪った奴と授業したくないよねー?」

ザワザワ…
野次馬が続出している。
分かったことがひとつある。


優ちゃんはクラス中…いや、学校中から
いじめられる。