再び交わる二つの視線
海斗を上から見下ろすって新鮮
なんて心の中で思ったけれど
ああ、でもやっぱり見下ろされてる方がいいな
と思い直してふと瞳を細めた
だって、自分より背の高い人なんてなかなかいないのだもの
無条件で見下ろせるほど背の高い男なんて
「私、お風呂入ってくる」
先に視線を外したのは、しるふの方だ
布団から抜け出そうとするその背を手を伸ばして捕まえる
「ちょっと、何するのよ」
私が寄っていったときはあしらうくせに
こうやって気分的にふとしるふを捕まえてみる
「まあ、気まぐれな気分屋なんてそんなもんさ」
そういえば高校の時に信治が拾ってきた猫はそんな感じだった
気が付くと海斗の足元や勉強机のそばにいて
けれどいざ相手をしようとすればするりとすり抜けていく
何度たんすの上から見下ろされただろう
捨てられたせいか少々人間不信気味だったあの猫を根気強く世話したのは自分だというのに
まあ、今でもふと家に帰ると真っ先に海斗の足元にすり寄ってくるのはあの猫だが
海斗を上から見下ろすって新鮮
なんて心の中で思ったけれど
ああ、でもやっぱり見下ろされてる方がいいな
と思い直してふと瞳を細めた
だって、自分より背の高い人なんてなかなかいないのだもの
無条件で見下ろせるほど背の高い男なんて
「私、お風呂入ってくる」
先に視線を外したのは、しるふの方だ
布団から抜け出そうとするその背を手を伸ばして捕まえる
「ちょっと、何するのよ」
私が寄っていったときはあしらうくせに
こうやって気分的にふとしるふを捕まえてみる
「まあ、気まぐれな気分屋なんてそんなもんさ」
そういえば高校の時に信治が拾ってきた猫はそんな感じだった
気が付くと海斗の足元や勉強机のそばにいて
けれどいざ相手をしようとすればするりとすり抜けていく
何度たんすの上から見下ろされただろう
捨てられたせいか少々人間不信気味だったあの猫を根気強く世話したのは自分だというのに
まあ、今でもふと家に帰ると真っ先に海斗の足元にすり寄ってくるのはあの猫だが

