ちゅんちゅんと小鳥のさえずりが遠くから聞こえてくる

遮光カーテンの隙間から漏れてくる朝日は、とても明るくて

沈み込んだ意識を呼び起こすには申し分ない

「…んー」

身じろぎすると肌に触れるのは、慣れきったふかふかの毛布

ああ、これは、海斗の部屋の毛布

自分の部屋のものよりも上質で無意識に肩まで毛布を引き上げる

そろそろ自分の部屋の布団を買い替えるときだろうか

別にお金に困っているわけではないし

ああ、でもそんなことしたら

海斗の部屋の布団は寝心地が良くていいよね

なんて理由でここに来ることが出来なくなってしまう

しかもしかも、一応付き合って3年

お互いの年を考えれば、自然と結婚というのがちらついてくる

もし、もし海斗がそんなことを考えていれば

その時まで布団をあのままにしておいてもいいかもしれない

一種の願掛け、だろうか

なんてことを考えていたら思いがけず頭が冴えてしまった

これはもう二度寝は出来まい