お休み3秒

ゆっくりと上下し始めたしるふの方を見下ろしながらそんなことを思う

呆れながらもしっかり布団をかけてやっているのだから少しは感謝してほしい

いつもいつも甘えてくるしるふに癖穎しながらもしっかり世話をするこっちの身にもなって欲しい

なんていう海斗の人知れない苦労を分かってくれるのは、

しるふの愚痴友達であり、海斗のよき理解者である飯田莉彩だけだ

「海斗じゃ莉彩には敵わなーい」

なんて言いながらよく二人で夕食を食べに行く

3回に一度、海斗の携帯に莉彩から連絡が入るのだからもう少し飲ませ方を変えてほしいものだと

実は心の中で思っていたりするのだけれど

「私は毎回黒崎先生に迷惑かけるよ?って忠告してますよ」

それでも

「そんなこと気にしないの。海斗なんだから」

なんて言って酔うのは、あなたの姫君です

と、諭されそうなので何も言わない

そっと手を伸ばせば、さらさらと癖のない柔らかな髪が指をすり抜けていく