「ね、かいと」

「なんだ」

「これは、いくらなんでもないんじゃないかなー」

後ろななめ上を見上げれば、珍しく見下ろしてくるブラウンの瞳

細められた瞳は不満げだ

「この期に及んで丁重に抱き上げられるとでも?」

「いつもはお姫様抱っこしてくれるのにー」

かいとひどーい

「酔っぱらいが何を言う」

「だからよってない」

なんて話をしてる間に寝室にたどり着く

一応、名目上、丁重と呼べる程度にしるふをベッドの上に放り投げる

本当、誰がこれをマドンナなんて呼んだのだろうか

ただの図体のでかいだだっこだろうに

しかもなまじ成長しているから厄介だ

ああいえばこういうし、

捕まえようにも、捕まえられるが嫌だと自由でいたいとすり抜けていく

そのくせ、海斗は淡泊だ、と不満をもらす

本当、どうしたらいいのか