「かいとのばか」

そんなことしてると他の人のとこ行っちゃうよ?

そんなことになったら海斗なんて一生一人のまんまなんだからね

黒崎病院は衰退の一途だよ

「はいはい」

要らない心配はしないのが海斗の主義だ

ましてやこの姫君相手には

「かいとなにしてた」

自分よりもはるかに眠そうな瞳が見上げてくる

「風呂から上がった」

だからもう寝る

「もういっかいはいろ」

「入らない」

ばかか

誰が火照った体が冷めていないというのにもう一度風呂に入るというのだ

しかも酔っぱらいなんぞと

「いじわる」

なんとでもいっていろ、と答えるのすら面倒くさいと感じるのは末期だろうか