「わ、私、 柚木 未来 ( ゆずき みく ) っていうの。よろしく…ね」
「俺は、神崎 悠宇 ( かんざき ゆう ) 。よろしく」
先生から、「 隣の席の人と自己紹介」という指示が出た。
私は、男の子が苦手。
話すのも難しければ、顔を見ることすらまま成らない。
噛みながらだけど、なんとか自分の名前を言い終えることができたのに…
隣の席の君は、素っ気なく自己紹介を終わらせてしまった。
( 何あれ… )
ついつい出ちゃう私の癖。
口からは言葉が零れ出てないだろうと思っていた私は、
前に体を向ける。
ふと、横目に入った隣の席の君は口を開いたかと思うと、
私にしか聞き取れない声で言った。
「 口に出してるの、自覚してないわけ?
そっちの方が、態度悪いと思うんだけど…」
背筋が凍りついたのが分かった。
先生が話しているのにも関わらず、相手の方に顔を向ける。

