『ピピピッピピピッ…』

もう、うるさいなぁ…
もうちょっと寝かせてよ

私は携帯のアラームを止めて
時計を見た。


8時20分


…。あっ‼


時計を見てから一分後ぐらいに思い出した。今日、入学式じゃん!


私は新しい制服に急いで着がえて一階に降りた。

パンをかじりながら髪を結ぶ。

『お母さんたらちゃんと起こしてよ!』

『あら、ごめんなさいね。』


お母さんは昔からマイペースでゆったりとした性格だから怒ったことなんて、一度もない。


『行ってきます!』


あぁ、最悪だ…


私、花岡真里乃は今日から憧れの高校生だったのに。

初日から寝坊って…しかも入学式だよ?


私は髪が崩れるのも気にせず、ひたすら走った。

幸いにも高校は家から五分で着いてしまう。

入学式が始まるまであと、三分もあるじゃん!

…なんて思って、浮かれてたら目の前に人が⁈


『きゃっ‼』



尻もちついちゃったよ…

ていうか、この人誰?

逆光であんまり良く見えないや…


オトコの人?

でもこの制服、私の高校のやつだ。

…って、私急いでるんだ!

『すいませんでした!』

それだけ言って、学校に向かった。




キーンコーンカーン…


鐘がなった。

はぁ…!


ギリギリ間に合った。

『花岡真里乃さん!急いで下さい。』

良かったぁ…


私はカバンをおいて、体育館に向かった




『新一年のみなさん入学、おめでとうございます。これから……』




先生が何を話していたかは忘れたけど、入学式は無事終わった。

私は一年B組。

中学の友達、野山はると同じクラス。

『真里乃〜うちら同クラだね!』

『だねっはると同クラで良かったぁ♪』

席は出席番号順だからはると私は前後だった。


私の隣は…?


いないのか…でも机は置いてあるから今日は休みなのかな?