「雷城、愁です。中3まではこの街に住んでいたので、俺を知ってる人も少なくないと思います。よろしくお願いします。」
たんたんと話す男子、雷城愁はさっき階段であった人だった
「愁...戻ってきたんだね...」
桃依があたしの顔を心配そうに、のぞきこみながら言った。
「..うん.....知らなかった...」
「じゃあー席はー...」
すーちゃんがぐるりと教室を見回して、あたしの顔で止まった。
(ま....まさか.......)
あたしの予想は的中した。
「んじゃ、三浦の隣の席な。」
「はい。」
雷城愁は短く返事をすると、こっちに向かって、歩いてきた。
あたしは目を合わせないように、窓の外に視線を移した。
ガタタッ
イスを引く音と同時に、雷城愁が口を開いた
「よろしく ..三浦」
「..! ...よろしく 」
名字で呼ばれたことに、驚いた
なぜなら
雷城愁は
あたしと初対面では無いから
この日が、あたしと雷城愁との二年ぶりの再開だった。
