ガラッ

「おらおらー、席つけー」

限りなく性格が男っぽい女教師 菅原 令子(すがわら、れいこ)愛称、すーちゃんが出席簿を肩に抱えて、教室に入ってきた

「今日はー転入生が来たぞー!」

一気に教室中がざわつき始める

「みんな男子か女子かでざわついてるんだろーね」

桃依はあたしの前の席に座っている だから、上半身だけをぐるりとこっちに向けて話した

「ねー」

適当に返事をしておく。 だって男子だろーが女子だろーがあたしには関係ないもん。

「喜べ女子!!かっこいー男子だぞっ!!」

バンッ!!

すーちゃんが出席簿を机に叩きつけて叫んだ

キャーっ!!!!

女子の悲鳴に近い声が教室中に響き渡る

「うきゃーっ!!男子だって!!男子!!しかもかっこいーって!!」

桃依が首をぶんぶん振って興奮しながら言った

「うん。ちゃんと聞いてるって...どんなやつだろー?」


「んじゃ、入れー。雷城ー」


「へ…?かみ…し、ろ…?」


ガラッ


シーンと静まり返った教室に入ってきた男子は、長身で、栗色の髪 整った顔 黒渕メガネをかけていた

「う…そ…」

上半身をこっちに向けたままその男子に顔を向けた桃依もぽかーんと、口を開けていた