「葉瑠は中学は何部だったの?」
「バレー部。」
じゃあイケるよ!と手を合わせて子供みたいに喜ぶ康南に苦笑いする。
「そろそろ帰ろ?」
「そーだねー」
康南と帰るために体育館から校舎に入る通路を歩いていると
前の方からボールケースをガラガラと押しながらこちらへ歩みを進める女子が2人いる。
多分…
いや、先輩。
きっとバスケ部の。
「ちょっとそこの子!」
すれ違った直後に先輩に呼び止められる。
「はい!」
なぜか緊張して声がうらがえった。
隣の康南も身を固くしてる。
「もしかして、部活見学?」
「馬鹿。明日からだよ!」
2人の先輩がよく分からない会話を始めたから
失礼します、と帰ろうしたら
先輩は思い出したようにまた呼び止められた。
「もう何部入りたいか決まってる?」
「いえ、まだ…。」
「じゃあ、バスケ部おいで!」
五分くらい長々とバスケ部に勧誘され明日仮入部することを約束し、家路についた。
