虹のカケラ





康南につれてかれ辿り着いたところは体育館。





「バスケ部の先輩でねー。もうやばいらしい!」





顔を赤くして話す康南。





「そうなんだ。」





入り口を塞いでしまってたことに気付かなかったあたし達に





「そこ、どいてくれる?」





と誰かに声をかけられた。





「あ、すみません。康…」





その人を見てはっとした。





背が高く整った顔立ちに茶髪を短く切りそろえてる。





間違いない。





「早川…先輩、ですよね?」





動揺を抑えなんとか声を出す。





「あ、葉瑠ちゃん!俺と同じ学校にしたんだ。」





「はい!よろしくお願いします。」





あたし達の会話を康南が交互に見ている。





「え、知り合い?」





「うん。まーね。」





「ところで葉瑠ちゃん、もう部活どこ入るか決めた?」




康南を遮り早川先輩はあたしに聞いてきた。




「まだ決まってないんですけど…」





「バスケ部おいで!」




言い終えないうちにまた遮った先輩。




康南はずっと隣で
「かっこいい…」
と呟いてる。




「バ、バスケ部ですか?」




嘘。ほんとは入りたい。




「あ、あたし、あまりバスケやったことなくて…。」




おどおどしてると、先輩の腕があたしの右肩に回ってきた。




多分向こうはこれが自然だと思ってるけど
あたしの心臓は暴れまくり。




「っ…」




自分でも顔が赤くなったのがわかった。




「うちのバスケ部は初心者大歓迎。」




耳元でそう囁くとあたしから離れた。




先輩、まさか、あたしに気があるとか…!




なんて妄想してると、すぐ後ろの康南をバスケ部に勧誘してた。




「君、葉瑠ちゃんの友達?」




「はい。」




「バスケ部来てねー。」




(一年だから勧誘してるだけ、か)



 
ガッカリしてると先輩は




「俺今から練習だから。」




って言い残し体育館に入っていった。