虹のカケラ




もう教室にいる生徒の約半分は近くの子達と話している。





(みんな友達作るの早すぎ…。)





黒板で自分の席を確認する。





平井葉瑠。





出席番号40番。





窓側の一番前の席。





C組は端の方のクラスだから春は桜がキレイに見えるらしい。





席について鞄を机の横にかけ、外を見ると4階の一年の教室から桜がスゴくキレイに見える。





「おはよ。」





不意に声をかけられ振り返る。





(わー…。スゴく可愛い子。)





長い茶髪を内巻きにしてる可愛い子が後ろの席に座ってニコニコしてた。





「お、おはようございます!」





突然だったから思わず噛んでしまった。





やっちゃったー!





恥ずかしくて下を思わず向くとクスッと可愛い声がした。





「えーと、平井さん?」





その子はクラス発表の紙を見ながらあたしを呼んだ。





「はい。」





「あはは、同じ学年なんだし敬語じゃなくていいよ。」






「ごっ、ごめんね。」





「あたし、福田康南。よろしくね。」





「あたしは平井葉瑠。よろしくね。」





改めて相手を見ると、クリッとした大きな目。白い肌に薄いピンクがかかってる。
色素の薄い女の子らしい子。





「席後ろだし仲良くしようね!」





「うん!」





良かった。





早速友達ができた。





その後、入学式。