その時、俺は見つけてしまった。 腕や、足などに所々ある傷を。 それも、浅いものから深いものまで。 「お前、それ―――」 「礼央ー?どこまで取りに行って…」 「梓、」 そのとき、ビニール袋を取りに行くには遅すぎたのか、梓が来た。 「礼央、早く食べよ」 俺は、梓に手を引かれ、ベンチに戻った。 「さっきの子、可愛かったでしょ」 「え…」 「有名だよ?上村愛生ちゃん」 上村愛生って言うんだ。 「何で有名?」 「3年の石塚啓人先輩って言うカッコいい先輩いるじゃん―――」