HRが終わり、なんとか臨太郎を振り切ってトイレに来た。

まさか、また臨太郎と再会するなんて…。



しばらくトイレでボーっとしていると、ガチャっと扉が開く音がして、声が聞こえてきた。



「ねえ、転校生の…柳瀬くんだっけ?かわいくない!?」

「うん!ドストライク!!!」

「でもやっぱり私は吉岡くんかなぁ~」



3人の女の子がトイレに入って来たみたいだ。
声からして同じクラスの子だ。
話は臨太郎と礼央の事で盛り上がってきた―――が。



「てかさ、原田さん、柳瀬くんとも知り合いみたいだよね」

「ねぇねぇ、うち聞いちゃったんだけど…あのふたり婚約者らしいよ……」

「うっそ!それなのに吉岡くんと付き合ってんの!?」



そのうち、話はあたしの事に変わっていった。



「えー、そんな男ったらしだと思ってなかった~」

「イメージ変わるよね」

「最低。吉岡くんも柳瀬くんもかわいそう」