私はC組で上村さんはD組。
クラスは違うけど、体育は一緒にやるからこの前上村さんを助けることができた。
でも、誰も助けてくれる人のいない教室で、彼女はどうしているのだろう…。
「原田さん?教室過ぎてますよ?」
「あ、ありがと!バイバイ上村さん」
「…さよなら」
礼央の心を取られて悔しいはずなのに、儚げな彼女を見ると私も守ってあげたくなってしまう。
教室へ入るといつも一緒にいる友達があたしの元へ駆け寄ってきた。
「ちょっと梓!上村さん、一緒に登校するようになったの?」
「うん…礼央が上村さんの事気に入っちゃったみたいでね」
「梓はそれでいいわけ?」
「あたしは……いいの。」
いい、いいの。
あたしは礼央が好きだから…いいんだよ。
「梓…健気すぎ」
「あの子のほうがよっぽど健気だよ」
「あの子?」
「んーん。なんでもない」

