■ SIDE AO ■


「打撲ですね、それもかなりの重症です。松葉杖を用意しますね」

「…」



病院の先生に治療してもらって、松葉杖を差し出された。
私はそれを受け取ると、先生に聞こえるか聞こえないかの声でありがとうございました、と言って診察室を出た。

その後の続いて、母もありがとうございましたと会釈をして診察室を出た。



会計を待つために、ソファーに座ると母がその隣に座った。



「全く、最後の最後まであんたは…前田さんの家に行く準備はできてるの?」

「はい、きのう終えました…。」

「そう、じゃあ連絡しておくから明日から行きなさいよ」

「はい」