「いっ…!?」 「あ、ごめん。触っただけで痛いんだ」 「いえ、大丈夫です」 大丈夫、これぐらいの痛み、耐えられる。 「なあ、上村」 「はい?」 「辛くない?」 「んー…ちょっと。でも、慣れました」 そう、もう慣れた。 痛いけどほっとけばそのうち治る。 嫌だけど時間が経てば終わる。 苦しいど―――いつか死んでしまえばそんな感情だって無かった事になる。 辛いのは今だけなの。だから、大丈夫。 大丈夫。