「上村さん!大丈夫?」 「…大丈夫です」 原田さんが近づいてきた。 何でこの人、私に気を使うんだろう。 私に気を使った所で、いい事なんて何もないのに。 むしろ、悪い事しかない。 「保健室行こう」 「大丈夫です、立てます」 「ほら、早く」 その時、原田さんが私に手を差し伸べた。 やめて…手なんか出さないで。 私は、何度も手を差し伸べられた。 バカな私はその手を掴むんだ。 そして―――突き放される。