「…いっ、た…」 「あら、ごめんなさーい。当たっちゃった?」 「いえ、大丈夫です」 私の後頭部にサッカーボールが当たった。 いや、当てられた。 当てた子はニヤニヤしながら、4、5人の輪の中に帰って行って、私に聞こえる声で… 「やだぁ~、当たっちゃった~、きたなぁい」 そう言った。 汚いって思うなら当てなきゃいいのに。 「上村さん、試合始めるよ」 「あ…はい」 原田さんに声を掛けられて私は、コートの中に入った。