善いヴィッチ

「若本~」

昼休み。

彼女は授業終了のチャイムが鳴るなり、すぐさま振り向いて僕の顔を見る。

「ご飯食べにいこ、ご飯」

「う、うん」

佐々木さんの昼休みの食事場所は、視聴覚教室入口の死角になっている所。

丁度日陰になっていて、冷たい風も通り抜け、夏のこの時期は涼しいのだ。

朝、学校に来る途中で買ってきたコンビニのハンバーガーの入った袋片手に、ブラブラと僕の前を歩く佐々木さん。

まるでモデルのように、腰をくねらせながら歩く。

揺れるお尻が、僕を誘っているかのよう。

知らず知らず、そのお尻に注視している僕をからかうかのように。

「♪」

一瞬だけ。

またスカートを捲ってお尻を見せる佐々木さん。

下着の境界線、日焼けしていない白いお尻が、僕の網膜に焼き付いた。