「きゃっ!」 顔を近づけられ、何をされると思いきや。 彼は手を伸ばしてヤケドしたあたしの左手をそぉっと取った。 「いっ...!」 ずっと冷たい雨に当たっていたヤケドの部分は暗く変色していて、少し膨れていた。 彼は手を引っ込めようとするあたしを手首あたりでしっかりつかんで、テーブルにあった木箱をあけた。