あたしは、あんたのもの。






「そうだな」






そう言って、彼は静かに立ち上がると。







へたり、と座り込んでいるあたしの隣にしゃがみこんで、ひょいっと担ぎ上げた。









「ちょ、待ってよっ」







びしょ濡れのあたしをお姫様抱っこしてそのまま歩き出そうとした彼をあたしは慌てて呼び止めた。








「なんだよ」








不機嫌そうに返事をした彼に、あたしは地面を指差した。