あたしは、あんたのもの。

けどそれが痛かったんじゃない。






誰よあんた、って叫ぼうとしたときに聞こえた、彼氏の声。






「あゆみー、なんだよ勝手にでるなよーって、ヤバ!切れ切れ!」





ブチッツーッツーッツー





ヤバ、って。






自分があまりに惨め過ぎて、本当に笑えてきてしまった。







「あははっ!ちょー笑える...」






びしょ濡れになって取れかけた左手の包帯を遠い目で眺めながらひとしきり笑ったあと。










あたしは豪快な雨がふる夕方の空へと顔を上げた。