走っては歩いて、歩いては走って。 バーやキャバクラなどが並ぶ繁華街まで来ていた。 忙しそうに歩く人と次々にぶつかってしまう。 「あ、すいません」 「きをつけろよ」 「どこみてんのよ」 「うわ、濡れてる」 「ごめんごめん」 言うことは人それぞれだが、みんなその後は見向きもせずにサッサと歩いていく。 ヤケドした手が雨に濡れて、ジンジン痛み。 何か全部がどーでもよくなって、あたしはその場に座り込んだ。