唯一心に引っ掛かるものがあるといえば、それは宗次朗だった。 彼が果歩ちゃんを迎えにくるたびに、あたしのこころはキュゥっと切ない声をあげる。 初めて彼が果歩ちゃんをあたしのクラスまで迎えにきて、彼女があたしと喋っているのをみたとき、彼は心底びっくりした顔をして、あたしに話しかけようとした。 そんな彼をあたしは無視して、果歩ちゃんにバイバイと言って一人で帰った。 次々とあふれる涙を拭いながら。