腕を伸ばして彼はあたしを引きとめようとする。 あたしは大好きなその手を思いっきり振り払った。 「離してよッッ!!」 柄にもなく涙を流しながらあたしは暴れた。 近くにあった松葉杖を片方だけとって、ドアに向かってよろよろっと進んだ。