「―――いや、…ほんと、まじで……焦った」



その場にいたみんな(雛を除く)が、息を切らしていた。


焦った。


まじで焦った。


久しぶりに、本気でどうしようかと思った。





「雛があんなとこに酒置いとくから悪いんだぞ」


「のんちゃん…それは言いがかりですよ…」



涼しい顔でそう答えた雛を睨みつけると、何食わぬ顔で目を逸らされてしまった。


全く、こっちの気も知らないで。


雛も、




「…スー…スー…」





目の前で寝ている、こいつも。