とにかく落ち着こうと、すぐ傍にあった飲み物を飲みほした瞬間、短くて太い声が響いた。


それは、入間さんのもので、向けられる視線は心なしか、さっきまでのものとは全然違う。


どちらかというと、焦っているような、そんな顔だった。





「…ん?」




なんだ?


何か…レモンスカッシュ?


いや、それにしてはまろやか…


と、いうか、初めての味。


何?


私、今、何飲んだ?





「美月ちゃん、今飲んだのって…!」




入間さんの顔は明らかに引き攣っていた。


今飲んだのが、どうかしたの?


私、何か変なものでも飲んで―――







「…雛子特製、まっこりinレモンスカッシュが…」






―――直後、ぐわんと視界が揺れた。