おうちにかえろう





知らない間にリビングのドアが開いていて、そこにまた見知らぬ男の子が立っていた。


…いや、よく見たら知っている人だった。


何でここに居るの…は、最早こっちのセリフでもあるというか。





「雨宮くん?」



見間違いではない。


同じクラスの雨宮くんだ。


どうして、ここに?





「俺が拾った」



黒髪さんがしれっとそう言うと、雨宮くんが一気に顔を顰めた。



「拾った?何訳分かんないこと言ってんだよ」


「いや、正直俺もよく分かってねーから」



お二方の自然な会話を聞いて、思考を回してみても、答えは出てくるはずもなく。


ただ、首を傾げることしか出来ない。





「…朔ちゃんおはよー…って、誰!?女の子!!かわいい!!」


「おはよー…」




雨宮くんの後ろから、今度こそ見知らぬ2人が顔を出して、私を見るなり驚きの声を上げていた(と言っても一人だけ)。


金髪に近い、派手な髪型の男の子と、…フードを被った、大人しそうな小さな女の子。



…大所帯だ。


みんな若い。


兄弟がたくさんいる家なのだろうか。







「同じ学校だからもしかしたらと思ったけど友達だった?」



黒髪さんの問いに、私は即座に首を横に振った。



「いや、特に友達と言うわけでは」


「喧嘩売ってんのかてめー。こっちだってお断りだばーか」




真実を言っただけなのに、雨宮くんに喧嘩を売られた。


いつもそう。


こんな感じで、私の親友といつも喧嘩をしている。


そして、そこに私が巻き込まれることもしばしばだ。


血の気が多い人だなーと思いながら、いつも軽く流していたけれど…






「それ、俺の弟」