おうちにかえろう



車通りも人通りも少ない夜道を、2人でゆっくりと歩いた。


いつも無心で歩いていたから気付かなかったけれど、こうして冷静に見てみると結構物騒な道だったんだな。


近道だと思ってこの道を通っていたけれど。




「今日はありがとね。お陰さまでひさしぶりに結構飲んだわ。会計もかなり安くしてもらったし」


「店長に命の恩人だとお話したら、それは割引しないといかんってことで、かなり割り引いてもらいました」


「よく分かんねーけどいい店長だな」



そう。

ほんと、コンセプトのよく分からない店だけど、人はとてもいいのだ。


先輩も、店長も、みんな優しい。





「また行っていい?今度は普通に飲みに行く」


「もちろんにゃん。お待ちしてますにゃん」


「…次行った時は自然にやってくれよそれ、気になって仕方ねーから」



しらっと見られたものだから、力強く頷き返してみた。


次回ご来店の際には必ず。


猫の国から来たのかと思われるくらい完璧なにゃんにゃん語を披露してみせます。






「…で」