何事、何事、何事、なにごと…
もう訳分かんない。
訳分かんなさが限界を超えて笑えてきた。
「……さーてと、俺は飯食おーっと。のんちゃん用意して~腹減った~」
「…何で一緒に食わねんだよ面倒くせーな」
すでに何事もなかったかのように家の中に戻り、雨宮くんが用意した朝ご飯を食べ出した雨宮さん。
私は、雨宮さんの行動が謎すぎて、動揺するどころか尊敬の念すら生まれてきていた。
有無を言わさない強引な感じが、崇めるしかないレベルにしか思えなくなってきた。
まぁ、何事もなかったかのようにしているのは、雨宮くんも入間さんも一緒なんだけど。
「あれ?そいえば雛は?」
「雛ちゃんね、また自分の部屋行って寝てるっぽいよ!昨日遅くまで起きてたみたいだから!」
「湊と2人で?」
「え゛!!!ち、違うよ!!俺飲み行ってたんだってば!!」
雨宮さんの問いに一瞬で顔を真っ赤にさせた入間さんを見て、本当に分かりやすい人だな、なんて思ってしまった。
…とにかく、梅田さんのことが大好きだってことでいいですよね?
「―――そいえば美月ちゃん、うちね、色々決まり事があんのよ」
会話に入り込めず、ただ呆然と立ち尽くしていた私に、突然話題が振られた。
見れば、雨宮さんがずずず、と味噌汁のようにスープをすすりながら、私を見ていて。
にやっと悪い笑みを浮かべられてしまったものだから、思わず背筋を伸ばして身構えた。
「ここに住むからには、うちの掟に従ってもらうから」
「………。」
………お、掟、ですと?
