(頭が上がらないな…)
いつか恩返しがしたいな。
まーちゃんが私の大好きな笑顔で笑ってくれるようなこと、したいな。
「ったく…あいつ妙に美月のこと気にかけるよね!」
私の密かな計画を打ち消すかのような、不機嫌そうな声に眉を上げた。
何を言ってるの、まーちゃん。
「いや、そんなことないでしょ。どっちかっていったらまーちゃんの方が気ぃかけられてるような…」
「な い か ら!!」
「…すみません。」
まーちゃんに手を引かれたまま教室を出ようとしたら、ドアの周りに女の子が集まって雑談していた。
別に、睨んだつもりなんてない。
なのに、その集団が一瞬だけ静まり返った。
「…こわー…今超睨まれたー…」
「ほんと感じ悪いよねー…」
「雨宮くんと付き合ってんのかな…何か仲良くない?」
「えー、…ないでしょ…」
……聞こえてますから。
だけど、こんなことで傷つくほど、弱い人間じゃない。
生憎、こっち方面での免疫は痛いほどについている。
わざと聞かせているのかもしれないけれど、残念。
こんなの全然。
どうってことない。
