外は、一面の銀世界で、見慣れたはずの家の前の道路が、全く違うものに見えた。私は、そっと、雪に手を入れてみた。掌に持てるだけの雪を掬い上げ、それをぎゅっと丸める。私は、その雪玉を、真っ白な雪の上に置いた。転がしてみる。いびつな形のその白い玉は、右に左にぶれながら、ころんころんと転がり始めた。雪玉を丸めながら、私は、あの人との事を思い返す。