ちょっと待って。
大智は、中学生なのにクソ生意気で。
しかも遊んでて。
意地悪なんだよ。
それなのに、どうしてそんなに顔が赤いの?
そんなキャラじゃないじゃん。
もしかして……
あたしの事、本気で好きなわけ?
「だ、大智?」
――ドキンッ
自分の声にすら、胸が大きな音をたてる。
何も言わず、うつむく大智をただ見つめるだけしか出来なかった。
今の今まで、こんな奴! って思ってたのに、あたしの心臓はうるさい位に音を立て始めて。
顔も熱くて仕方ない。
もしかして……
あたし……
「大智、あたしの事、好…」
「ぶはっ! 何、期待してんの?」
……は?
大声を出して笑う大智をキョトンとした顔で見つめるしか出来ない。
「ひより、今ので俺の事、好きになっちゃった?」
……まさか、また嘘つかれた?
「お前、本当簡単過ぎっ」
……あたし、引っ掛かっちゃったの?
「なぁ、いつもそんな風に…って、ひより?」
「大智の馬鹿!」
立ち上がり、大智の部屋を飛び出した。

