【短編】JEWEL



「て、てか。大智のタイプは?」


何となく、いつもと違うかったから。

あたしの話題から、大智へと振ってみたんだ。


「んー? 俺?」


うんうん。と頷いたあたしを見て、


「大人で、俺のする事に何の文句も言わない女」


シレッとした顔で言い放った。


「それって、都合の良い人って言うんじゃないの?」

「そうとも言う」


何ちゅう男なのよっ。


それじゃあ、好きなタイプとかじゃないじゃん。

ただの遊び相手じゃないの。


あーぁ。聞いて損した。


さっきは真面目に答えてくれたと思ったから聞いたのに。

やっぱり、大智に好きなタイプを聞いたあたしが馬鹿だった。



「だけど現実は、すぐ誰でも好きになる、馬鹿な女が……好き」

 
え?

 
流れる沈黙が、やけに苦しくなった。


だって、それって……。


あたしの事みたいだよ、大智?


首を傾げると、大智はあたしから目をそらした。