【短編】JEWEL



ありえない!

コイツ、まじでありえないっ!!!


大智はそのままの格好で、あたしを抱きしめたんだ。


頬には、大智の胸板が当たって。腕とかも全部“生”なんすけどっ!


今は、あたしの方が熱いはずなのに、大智の体温を感じてしまう。


じゃなくてっ!


「は、放してよっ、馬鹿!」


そう言うと、ケラケラと笑った大智はあたしを放してくれた。


バクバクと煩くなる心臓に、熱い頬。

部屋に入るなり、あたしはその場に座り込んでしまった。


「ひより、キョドリ過ぎ」

 
って、笑ってんじゃないわよ!


いくら年下とはいえ、男の子にそんな事されたら焦るに決まってんじゃん。