【短編】JEWEL




――チーン

軽やかな音を立てて止まった5F。


あぁー。
今日は何て言って大智に馬鹿にされんだろ。


溜息をひとつ落とすと、大智の家のドアを勝手に開けて、中へと入った。


「お邪魔しまーす」


ヤル気のない声全開で、大智の部屋のドアを開けると、勢いよくドアを閉めた。


ななな、何で裸なのよっ!!!


持っていたポテトチップスを落とし、一気に熱くなる頬を両手で押さえる。


そんな、あたしの後ろでドアが開き、


「お前、何してんの?」


ひょっこり顔を出した大智を見ると、まだ裸じゃん!

筋肉のついた胸板から、バッと目をそらした。


「あ、もしかして……」


あたしを見て気付いたのか、声が笑ってる。


「何でもないっ! てか、早く中入って!」


うつむいたまま、叫ぶと、


「ギャッ!」


今度は、あたしから変な声が飛び出した。